【ラノベ売り上げ】氷菓(古典部シリーズ)とアクセル・ワールドが売れてるらしい

氷菓なんて端から見れば最初のエピソードの肝が
“ヒロインがどうしても思い出せないエピソードを思い出す手助けをして欲しい”
というきわめて地味なテーマを頭に入れつつ毎週推理してるだけ、という目立たない作風であるのに支持されたのはちょっと驚き。
確かに言われてみれば推理パートが一般的にありがちな“視聴者が入手し得ない情報を元にして答えをはじき出す”ものじゃなくて、推理に必要な情報がアニメ内で全て提供された状態で推理するものだから、劇中の出来事が“自分には解決できない他人事”じゃなくなって単純に作品に没入しやすくなる、ような気はする。
当然、スタッフインタビューから分かるようなキャラクターへの深い理解とアニメへの丁寧な反映ってのも生きてるんだろうけど、そこはあくまで屋台骨を支える基礎の部分。
ここが脆いとストーリー展開の前提が成り立たなくなって幾多のラノベアニメのようにせっかくの見せ場も盛り上がらないのでとても大事、ではあるものの目立ちにくくて売上の原動力にはなりにくいだろう。
しかしこれらの要素を土台として1話ごとに消化される伏線だけではなくて原作1巻全体としての伏線も散りばめられている、とくれば結末見たさに本屋に殺到するのは至極当然の流れなので、あとはどれだけの数字を叩きだすかといったところ。
一方のAWはバトルの舞台を仮想世界にしたことでキャラクター、というかアバター設定の自由度が高く、物語のメインになるバトル展開が分かりやすいのにワンパターンじゃなくて意外性もある作りにできるというのが強みだろう。
ライトノベルというジャンルの客層上、キャラクター造形の甘さは二の次だろうし、その点では最新話はそれらの長所と短所を象徴する出来になっていて、映像の印象が勝ちやすいアニメで見るならばそりゃ原作の続きが欲しくなるのも理解できる。