花物語

花物語 (講談社BOX)

花物語 (講談社BOX)

まだ描かれていない学習塾跡炎上と卒業直前の事件というのが過去のこととして扱われている辺り、どうやら続刊の後日談のようで、各人の後日談がほんのり語られつつ、語り手であり主人公である神原の左腕の件が解決する話。
それなりに意外な展開が続いて神原の部屋ともども片付いていく本編の流れよりも、日頃、生身の人付き合いの中で皆が感じているであろう自分と他人の在り方について言語化されている部分の方が興味深く思えた。
涙もろくてハッピーエンドしか認めないいい子ちゃんのつもりでも人の不幸が嬉しくて仕方ない自分、というのが今回のゲストキャラ・沼地蝋花と少しかぶったせいもあるかもしれない。
そんな重い話も、神原には(神原ママンに)惚れた弱みで親切にしてくれる貝木泥舟

暦「何を心配しているんだ。火憐ちゃんは大丈夫だよ。僕が一生面倒を見るんだから」

と変な方向に進化している阿良々木さんによって若干中和されていたと思えなくもない。
そして次巻は俺の嫁千石撫子のメイン回。
今までの登場キャラほぼ全員に関して触れられていた中で唯一言及されていなかった撫子。
忍野扇の謎の性転換疑惑やひたぎエンドが確定したこともあって不気味な事この上無い…。